住宅ローン、長期化の波に乗るべきか?

2025-06-13

近年、住宅ローンの返済期間が多様化し、これまでの35年を超える40年、さらには50年といった超長期のローン商品も登場しています。住宅価格の高騰が続く中、月々の返済額を抑えたいと考える方々にとって、これらの長期ローンは魅力的な選択肢に映るかもしれませんが、本当にそれがよいのでしょうか?

もちろん、長期ローンが持つメリットはあります。返済期間が長くなることで月々の負担は軽減され、希望の住宅を手に入れるハードルが下がるのは事実です。特に若い世代にとっては、より高額な物件に手が届く可能性も広がるでしょう。

しかし、安易な長期化には慎重であるべきだと考えています。結論から言えば、無理のない範囲で、従来の35年ローンを軸に返済計画を組み立てることをお勧めします。その理由を、メリットとデメリットを比較しながら詳しく見ていきましょう。


長期ローンの「見える」メリットと「見えにくい」デメリット

超長期ローン最大のメリットは、やはり月々の返済額を抑えられる点に尽きます。例えば、5,000万円を金利1.5%で借り入れた場合、35年ローンでは月々約15.3万円の返済ですが、50年ローンでは約10.1万円と、月々5万円以上も負担が軽くなります。この差は、日々の家計に大きなゆとりをもたらし、教育費やレジャー費など、住宅以外の支出に充てる余裕を生み出すでしょう。

しかし、この「月々楽になる」という感覚の裏には、総返済額の大幅な増加という見えにくいデメリットが隠れています。先ほどの例で、同じ金利1.5%で借り入れた場合、35年ローンの総返済額は約6,426万円であるのに対し、50年ローンでは利息の支払期間が延びるため、**総返済額は約7,260万円にも膨らみます。**これは、単純に利息を支払う期間が長くなるためです。同じ元金を返済するのに、50年ローンでは35年ローンよりも約834万円多く支払うことになります。

さらに、忘れてならないのが金利上昇リスクです。変動金利型を選択している場合、返済期間が長くなればなるほど、金利が上昇する影響を受ける期間が長くなる可能性があり、結果として総返済額がさらに増えるリスクを抱え続けることになります。仮にわずかな金利上昇であったとしても、50年というとても長い期間で見れば、その影響は非常に大きくなります。


「老後破産」のリスクとライフプランの変化

もう一つの大きな懸念点は、定年退職後も返済が続く可能性が高いという点です。例えば、30歳で50年ローンを組めば、完済は80歳です。年金収入が中心となる老後生活で、毎月住宅ローンを返済していくのは、精神的にも経済的にも大きな負担となりかねません。現在の健康状態や将来の年金制度がどうなっているか、誰にも予測はできません。老後の生活設計に、住宅ローンが重くのしかかる可能性は十分に考えられます。

また、人生は何が起こるかわかりません。転職、出産、病気、介護など、ライフプランは常に変化するものです。数十年先の見通しを立てて借り入れる長期ローンは、こうした変化に対応しづらい側面があります。繰り上げ返済によって期間を短縮したり、金利タイプを変更したりすることも可能ですが、その都度、手間や費用がかかることもあります。


35年ローンを賢く活用する視点

では、なぜ35年ローンを軸にすべきなのでしょうか。それは、**「バランスの取れた期間」**だからです。

  1. 月々の返済負担と総返済額のバランス: 50年ローンほど月々の負担は軽くありませんが、一方で利息の総額も超長期ローンほど膨らむことはありません。無理なく返済できる範囲で、総返済額を抑えるバランスの良い選択肢と言えます。
  2. 定年退職までの完済を見据えやすい: 多くの会社員にとって、30歳で借り入れれば65歳には完済が見えてきます。これにより、老後の生活設計が立てやすくなり、住宅ローンからの解放された老後を迎える可能性が高まります。
  3. ライフプランの柔軟性: 35年という期間であれば、途中でまとまった資金ができた際に繰り上げ返済を行い、さらに返済期間を短縮することも現実的です。例えば、子どもの独立や定年退職で支出が減ったタイミングで、残債を一気に減らすことも可能です。

住宅ローンの賢い選択のために

もちろん、35年ローンがすべての人にとっての正解というわけではありません。住宅購入のタイミング、自身の年齢、年収、家族構成、将来のキャリアプランなど、考慮すべき要素は多岐にわたります。大切なのは、借り入れる前に、以下の点をじっくりと検討することです。

  • 無理のない返済額を設定する: 金融機関のシミュレーションだけでなく、ご自身の家計簿を見直し、住宅ローン以外の固定費や変動費も考慮した上で、本当に無理なく返済できる月額を計算しましょう。手取り収入の20〜25%程度に抑えるのが目安と言われています。
  • 将来の金利変動を予測する: 固定金利か変動金利か、どちらを選ぶにしても、将来の金利動向には常にアンテナを張り、リスクを理解しておくことが重要です。変動金利を選ぶ場合は、金利が上昇した際のシミュレーションも必ず行いましょう。
  • ライフプランと照らし合わせる: 何歳で完済したいのか、子どもの教育費はいつ頃ピークを迎えるのか、定年退職後の生活はどうしたいのかなど、具体的なライフプランを描き、それに合った返済計画を立てましょう。
  • 繰り上げ返済の計画を立てる: 余裕資金ができた際に、積極的に繰り上げ返済を行う計画を立てておくことで、総返済額を減らし、早期完済を目指すことができます。

住宅ローンは、人生で最も高額な買い物の一つであり、その後の生活を大きく左右する重要な決断です。目先の月々の返済額の軽さだけに惑わされることなく、長期的な視点で、ご自身のライフプランに合った、賢い選択をしてください。無理のない範囲で、豊かな住まいと生活を実現できるよう私たちリアルパートナーズが皆様の家探しをお手伝いいたします!

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